2009-09-23

福井県・山久漆工を訪問(8月) 3


今回の訪問では、普段見ることの出来ない、
職人の方々がお仕事をされている様子を、
拝見させていただくことができました。

漆器の生産は、商品の製造の各過程ごと、
技巧ごとの分業になっていて、
それぞれの技術に特化した職人の方々が
熟練の確かな腕をもって、生産に勤しんでいます。

* 写真の職人さんは平たい「角もの」の塗師さんの
作業の様子です。

「漆」塗りの表面に塵などが入り込まないように、
きれいに掃除された、作業部屋の真ん中で、
手を休めることなく私たちを迎え入れてくださいました。

どっしりと胡坐をかいた安定した姿勢で次々に作業を
してゆく様には、圧倒されました!!

一日、6、7時間、この作業を行っているそうです。
ものは慣れとは言いますが、胡坐をかいたこの姿勢で
安定するところまで、いったい何年かかるのでしょう・・!?



漆器の生産工程、また様々な製品について、
勉強、見学ができる施設「うるしの里会館」をご案内いただき、


熟練の蒔絵師、沈金師の方々の
作業場にもお邪魔させていただきました!

ちょうど、蒔絵師さんの仕上げていらした作品の、
独特の絵柄の蒔絵による技巧表現には、
伝統のいわゆる和風な漆器のイメージを覆し、
斬新でいて、確固たる芸術性に裏打ちされた
伝統の技術の成せる技に深く感動しました。

蒔絵という精巧極まりない技術により生まれる、
技巧表現が、絵柄、意匠の趣が変わることで
一転して洗練された、モダンなイメージになる様を目の当たりにし、
伝統工芸もまた進化するデザインしかり?!
と感じ入ったのでした。



また、沈金師さんのお宅では、
伝統の技術を継承し、熟練の技で、
漆器に加飾を施すことに収まらず、
ご自身自ら、創造性と探究心を持ち、
漆器と沈金の技巧を用いた様々な作品を
製作されている様子を拝見させて頂きました。

気さくに、私たちのジュエリーの作りにも
興味を持ってお話くださったり、
参考となる素材のお話や、
沈金の技術についてご説明くださり、
私たちの手にノミを持たせ、上からノミを動かして
技巧を体験させても下さいました!!

手を離されてみると・・・。
自分の手だけでは、まるで思うようにはノミが動かせませんでした!


LADY MURASAKI JAPAN のジュエリーに命が吹き込まれる場所、
福井県・鯖江市の訪問は、とても充実、勉強になりました。

産地の現状を知ることにより、その技術をもって、
ものを作ることの意味をより強く実感することにつながりました。

土地への思い入れも深まり、同時に課題の大きさにも深く感じ入るものです。


PS. もちろん、ついでなのですが!?

すばらしい海の幸の数々に舌鼓を打ち!!

泉質の良い、温泉も堪能させて頂きました。
出発の朝、寝ぼけ眼の文様を置いて、
ひとり、朝風呂にまでしっかり入って参りました!


( 珠 )

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